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2015年1月31日 (土)

「詩の礫」朗読会

詩人 和合亮一さん福島を語る

日時:2015年1月31日(土)13:30~15:00
会場:寒河江市立図書館視聴覚室
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夕焼け 吉野                                                   杖に  和合 亮一
いつものことだが                                                悲しみを 杖にして
電車は満員だった。                          歩いていきましょう
そしていつものことだが                       草がぼうぼうと
若者と娘が腰をおろし                        生えている野原を
としよりが立っていた。
うつむいていた娘が立って                      ただひたすらに
としよりに席をゆずった。
そそくさととしよりが坐った。                     杖はあるくたびに           
礼も言わずにとしよりは次の駅で降りた。             きみの心に   
娘は坐った。                              痛みをもたらすでしょう
別のとしよりが娘の前に                       それでも
横あいから押されてきた。             
娘はうつむいた。                                                 しっかりと握って
しかし又立って席を                            道なき道を
そのとしよりにゆずった。                                       涙をこぼしながら
としよりは次の駅で礼を言って降りた。                   歩いていきましょう
娘は坐った。                    
二度あることは と言う通り                      いつしか
別のとしよりが娘の前に
押し出された。                             連れていくでしょう
可哀想に娘はうつむいて                      はるか優しい                  
そして今度は席を立たなかった。                 風が吹く
次の駅も                                 丘の上へ
次の駅も
下唇をキュッと噛んで
身体をこわばらせて――。
僕は電車を降りた。
固くなってうつむいて
娘はどこまで行ったろう。
やさしい心の持主は
いつでもどこでも
われにもあらず受難者となる。
何故って
やさしい心の持主は
他人のつらさを自分のつらさのように
感じるから。
やさしい心に責められながら
娘はどこまでゆけるだろう。
下唇を噛んで
つらい気持ちで
美しい夕焼けも見ないで。

◎感想
やさしい心の持主は
いつでもどこでも
われにもあらず受難者となるという3行と、
最後の1行が印象に残る詩です。

吉野弘さん、和合亮一さんの詩、これからも味わってゆこうと改めて思いました。

山形県酒田市出身の詩人、吉野弘さんが亡くなられておよそ一年が過ぎました。
1月27日夜、NHKの「クローズアップ現代」に和合亮一さんがゲスト出演されていました。

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